お口のトラブルで気づいたら要介護【ミニコラム】

こんにちは。

今日は雨で、急に寒々しい気持ちになります。
3月だから春も近くなったと思ったのは、まだまだ時期尚早だったのかもしれませんね。

前回の続きになりますが、オーラルフレイルの今度は予防方法についてみていきましょう。

 

予防は大きく3つ

フレイルの予防には、「食事」「運動」「社会参加」の3うつがとても大切です。

まるで、筋肉や足腰の強さ、健康と一緒ですね。

食事という意味では、栄養ある食事を食べ続けるということがとても大切になります。
健康の維持や口腔内の環境の維持がポイントになっていきます。
全身の栄養状態が低下していくと、口腔に関わる筋肉や唾液、それらも変化していくことになります。

歯が抜けていくというのは、口腔内の環境の変化というところと一致していきます。
歯が抜けることによって、食べれる食事の制限を受けることになると、やわらかい食事に偏ることが多くなります。
それによりさらに他の歯を使う機会が減ったり、口腔内の筋肉が弱くなったりする悪循環が生じ、さらに口腔内の環境が悪くなっていきます。

運動という点では、先ほどのやわらかい食事に偏ることによってかむ力が弱まるというところがあげられます。
口腔内の運動という意味では、舌の動きや喉の呑み込む力なども同時に変化していきます。
口腔内の環境と一緒で、これらもどんどん弱くなっていく訳です。
これがいわゆる口周りの筋肉のサルコペニアです。

社会参加という意味では、一人での食事やお弁当中心の食生活があげられます。
誰かと会話しながらいただく食事は、満足度が高く食事も全て食べきることが多いでしょう。
反対に1人で食べる弁当食になると、食べるというよりむしろ業務のようになってしまったり、時間がバラバラになってしまったり、残すことも多くなってきてしまいます。
それと同時に、他社との会話というのも口を動かすこと、食事などいろいろな要素に影響すると思われます。

 

その他のオーラルフレイルの要因

食べ物を噛む咀嚼機能や呑み込むために嚥下機能の低下は、食事の接種や栄養摂取状況に直結していきます。

その他の要因についてですが、高齢者の多剤併用も関連していきます。
歳を重ねると複数の医療機関にかかったり、複数の疾患と付き合っていくことを求められます。
それにより、多剤併用による副作用の影響で、唾液の分泌量が減少したり、食欲が減退を引き起こす可能性があります。
それにより、先ほどの予防における食事が全体的に低下する訳です。

 

オーラルフレイルによる要介護状態への道のり

歯科医師会の出すマニュアルをまとめながら、要点と実際の現実の事例を織り交ぜます。

最初の段階は口腔ケアに対する意識の低下が考えられます。
歯周病や虫歯があった際、治療を行わないまま時間がすぎてしまったり、歯石や歯周病などの放置などメンテナンスを実施しなかったり。

また、歯が抜けてしまった後、それ以上の予防をせず老化として諦めてしまったりということもあるでしょう。口臭や乾燥などの清潔面についても、今までよりも意識が遠のく状態もあるでしょう。

このように最初の段階は、意識の低下が考えられます。
特に家庭環境や職場環境、周囲との社交性の変化からそれらの意識は低くなってしまうのかもしれません。

確かに、職場での立場が変わったり、友人との関係性が変わったりすると、今まで以上に周囲からに見た目に対して意識する事が少なくなってしまうのかもしれませんね。

次の段階となる第二段階では、口に中の些細な変化に対応するのかが挙げられます。

特に食べる食材が偏るなどはあり得る話です。
噛みにくくなったから柔らかいものが多くなった。歯に詰まる食材は敬遠するようになった。歯が少なくなって、食べれるものが少なくなった、などです。それと合わせて、食べこぼしが増えたとか、咀嚼ができないことによる胃痛の出現などもそのシグナルです。

これらが続くと、摂取できる栄養状態の変化が徐々に進んでいきます。さらに、食欲の低下が起き、食事に対する意識がどんどん低下していきます。

第三段階では、第二段階での些細なトラブルが具体化、悪化していきます。

歯がどんどん抜けていく、さらに口腔周囲の筋肉が減少していく事で、食べる力、咀嚼力が低下していきます。さらに舌の力や喉の力も減少していくと、飲み込む力嚥下能力が低下し誤嚥性肺炎などのトラブルを引き起こします。

そのような状態が続くと、低栄養となり薬剤が増えたりします。それにより唾液の分泌が減少したり、栄養の分解能力の減少などを起こしていきます。それにより脱水や唇、口腔内の乾燥が進むため、そこが菌の温床となってしまいます。

次に第四段階は、これまでのトラブルが全身状態の低下につながります。

今までは口腔内のトラブルにすみましたが、この低栄養や嚥下、咀嚼機能の低下によって免疫力の低下や体力の低下、全身のフレイル(虚弱)が進行していき、筋肉の低下が進みます。

それらにより要介護状態となってしまいます。

ほんの短い間に、オーラルフレイルが原因で要介護状態になると考えると、今の些細な変化からしっかりとメンテナンス、治療していく必要がありますね。